2022年8月10日 (水)
【科学実験・プレゼンテーション講座@麻布大学(2日目)】
科学実験・プレゼンテーション講座は、2日目を迎えています。
今朝は、ひもを用いてDNAの二重らせんを作成するエクササイズから始まりました。
学年も学校も違う仲間と共に過ごす本講座ですが、少しずつ慣れてきて、交流が深まった様子です。
本日は、作成したPCR溶液を用いた電気泳動実験、大腸菌にブロッコリーとGFP(緑色蛍光タンパク質)の遺伝子を導入する遺伝子組換え実験を行いました。
受講生の皆さん、本日の実験操作の概要を以下に示します。
振り返りの参考にしてください。
[PCR反応液の調製の続き]
・電気泳動用サンプル作り(自分で抽出したブロッコリーのDNAにローディング溶液を加える。)
・ローディング溶液にはインターカレーター(DNAに結合し、LED照射により蛍光を発する物質)が含まれている。
[PCRによるDNAの増幅]
・PCRとはポリメラーゼ連鎖反応の略で、DNAを多量に増やすことができる。
・サーマルサイクラーという機械により温度を調節し、DNAの2本鎖をほどく、プライマーをつける、増幅させるという反応を繰り返す。
[電気泳動実験]
・電気泳動とは、電気を流しながらゲル中のDNAを移動させ、DNAをその長さごとに分けることができる方法のこと。
・調製した電気泳動用サンプルをアプライする(ゲルの穴に流し込む)。
・レーン①には、定規の役割をするサイズマーカーをアプライする。
・泳動槽には、TBE電気泳動用緩衝液(電流を流すための溶液)が入っており、pHの変化を抑えている。これにより、-に帯電するDNAは電気的な力を受けて移動する。
・ゲルにLEDを照射し、DNAを光らせる。結果として見えたバンドの理解は、また明日。
[遺伝子組換え実験]
・遺伝子組換えとは、本来その生物が持っていない遺伝子を人工的に組み込む操作のこと。
・大腸菌に、①1日目に自分で抽出したブロッコリーの遺伝子と、②GFP遺伝子をそれぞれ組み込む。
・①は、ベクターDNA(大腸菌がもつ輪っか状のDNA)に水で薄めたブロッコリーの遺伝子を組み込む。それを大腸菌液と混ぜる。
・②は、ベクターDNAにGFP遺伝子が組み込まれたものを大腸菌液と混ぜる。
・①・②ともに、ヒートショックによってDNAが大腸菌に取り込まれる。大腸菌にSOC培地を加える。
・①はX-GAL、IPTGとともにプレートへぬる。
・②はアンピシリン(抗生物質)やアラビノースが含まれているプレート、含まれていないプレートにそれぞれぬる。
・一晩プレートを温めておき、結果はまた明日。